アールデコ、パール・オニキス・ダイヤリング

アールデコらしい、時代を反映したスタイリッシュなリング

洗練されたデザインのリングです。

正面から見ると
ダイヤ、オニキス、パールと三重の円。
それぞれに異なる輝きが指もとを飾ります。

パールは横から見ると多少いびつですが、それも天然真珠であるが故。
ほんのりクリーム色の品の良い色味です。

そのまわりにオニキスの漆黒。
アールデコの時代に頻繁に使われるようなった素材のひとつです。
オニキスやヒスイを幾何学模様に

ダイヤは粒の小さいものをびっしりと一周並べています。
外周の極細プラチナ線には細かなミル打ちが施されていてきりっと引き締まった印象です。

「アールデコ」と一口に言ってもそのデザインは多岐にわたりますが、このような円や直線で構成されたデザインというのはそれ以前のアールヌーヴォーとはまったく違います。
（アールヌーヴォー自体、「カウンターカルチャー」的なもので決して時代の主流だったわけではありませんが）。

アールヌーヴォーといえば有機的な曲線を多用した工芸的作風を思い浮かべますが、実用性に乏しい側面もありました。

対して、1920年頃に作られたであろうこのリングは、指の幅に収まる大きさといい、デザインのシンプルさ、軽快さといい、特別な場でなくても身に付けられるユーティティの高さがあります。

アールデコが語られるときに必ずといっていいほど出てくる、「女性の社会進出」という言葉。
まさにその言葉通りの、女性が普段から、仕事の時にでも使えるようなデザイン、それでいてその三種の輝きは、あくまで女性の心をくすぐる気品ある色調だと思います。

このようなデザインコンセプトは現代にも通じるものがあるのではないでしょうか。
100年近く前に作られた指輪ではありますが、古さを感じない、それでいてアールデコという時代性も感じられる美しいアンティークリングです。