アールヌーボー期の曲線美とプリカジュールという高度な技法そこに美しいルビーが輝きます・・・
透明感があり、蛍光発色もある大変美しいルビー。
現代でもここまで美しいルビーはなかなか手に入りません。
かつてビルマでは王室が鉱山を所有し良質なルビーが産出されると王室が管理所有していました。
しかし、1885年の第3次英緬戦争の結果、ビルマ全土がイギリスの植民地とされた頃より、ルビーの国外への輸出も増えました。
当時、タイやスリランカでもルビーは産出されましたが、良質な物は少なくまた採掘量も少なかったため、重要視されなかったことが、1896年に出版されたドイツの宝石学者マックス・バウワーの著書『宝石』に書かれています。
この作品に使われているルビーは中でも特別美しいルビーであり、そのため、プリカジュールという高度な技法を駆使し、デザインもアールヌーボーの凝ったものとなっています。
ビルマ・モゴック地方のルビーは紫外線を当てると蛍光発色が非常に強いです。
これは黒味を増す鉄の不純物が少なく、青味を増やすチタンが多いことに起因します。
タイ産などは蛍光発色の効果が薄いです。
また、ルビーというと現代流通している物の多くは一般的に熱処理されていますが、これは1800度で加熱することにより、紫や青の色合いを飛ばし、また、ルチルの針状結晶であるシルクも消します。
先の様な熱処理は、1960年代にビルマ産ルビーが政変などで市場から急激に減少したため、タイやスリランカ産の低品質のルビーを改善しマーケットに送り出すために始まりました。
その他現代のルビーにはガラス充填法も施されています。
それでは作りをみていきましょう。
ルビーは金でミル留めされており、爪が表面を覆うことにより石の魅力がなくなることはありません。
中央のルビーがセットされた下には薄紫が微妙にグラデーションになったプリカジュールエナメルが施されています。
その先端にもダイアモンドがセットされており、孔雀の羽のように見えます。
この部分は揺れ動く構造にもなっています。
尚、通常エナメルは金属やガラスの上に施すのに対し、プリカジュールエナメルは薄い銅箔の上にエナメルを掛け銅箔を溶かす方法か枠の間に表面張力を利用しエナメルを乗せ、焼成を繰り返していく方法があります。
どちらも製作は非常に難しく、熟練の職人技が必要とされました。
アールヌーボー期のジュエリーに見られ、ラリックなども好んで使用しました。
こうして裏が抜けているため、柔らかな色合いになります。
曲線で表現された台座には、連続してダイアモンドが嵌め込まれ、表側にプラチナが使用され周囲に極小のミル打ちが連続して施されています。
その他、三つの天然真珠も飾られています。
三つとも状態が非常に良く、天然真珠の中では特に白さが際立ちます。
それがルビーの赤色と対比的でありルビーをいっそう生かしています。
裏側は左隅に18ctという18金を示す刻印が打たれています。
優雅なデザインに一級の宝石を使い、高い技術が費やされて生み出された美しき逸品です。
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