純潔の愛を象徴するモザイクの一級品
中央にはつがいの鳩がオリーブを咥え、その下にはピンク色の薔薇や黄色の花が咲いています。
黄色の花は恐らくオリーブの花を表現しているのでしょう。平和の象徴であり、神の使いでもある鳩は旧約聖書にあるノアの箱舟の物語に出てくるように、オリーブのを咥えています。鳩の翼や胴体は微妙な色の違うテセレのグラデーションを生かし、見事に立体感を表現しています。ぎっしりと隙間なく埋め込まれているところにも、仕上がりの素晴らしさが感じられます。
左右には花ではなく、向かい合った蝶々が表現されていることも珍しいです。蝶々はギリシャ神話のプシュケを象徴し魂を表しています。プシュケはキューピットの妻であり、恋を守護する女神です。
下部には三つの飾りが垂れ下がっています。その中央には百合の花が飾られています。白い百合は聖母マリアの純潔を象徴しています。百合の花弁には陰影を出すために、淡い色合いの紫から白に三段階に分かれたモザイク硝子を使用しています。また、蕾の部分には緑、黄緑、白とやはり三段階に色が分かれたモザイク硝子を蕾の形に削ったテセレを使用しています。
驚くことに、茎もこのパーツのために作られたのでしょう。二色の緑色を組み合わせパーツを自然な曲線を帯びた形で切り抜かれていますが、その曲線に合わせ二色の線も曲線を帯びています。このことは二色になったガラス板をただ切り抜いたのではなく、この中央の茎を表現するためにガラスを熱いうちに曲げて作ったテセレであるということです。
ちなみに、蝶々の胴体も同様に特別に作られたパーツで四色のグラデーションになっています。同じように薔薇の花弁も三色のモザイク硝子によるパーツになっています。
そうした精巧なモザイクに合わせる様に上部は六連のロープ模様で囲んでいます。このロープは三つの輪が横に連なる形になっており、終わりのないエタニティ―つまり永遠性を象徴するデザインになっています。
裏側をみると、しっかりと金で覆われており、中央に刻印が打たれています。この刻印はローマの刻印です。盾の中に祭礼用の傘の下、聖ペテロの二本の鍵が交差した模様です。これはローマがイタリア統一国家に組み込まれる1870年以前の刻印であり、この作品が1870年以前に作られていることを示しています。尚、1809年から1815年の間のフランス統治下に入っていた時代にはまた、別の刻印が使われています。18金の針にも同様の刻印が打たれていますが、面積が狭く、刻印が少し途切れています。針の根元や受けの作りも精巧で作品が丁寧に作られていることが伝わります。
つがいの鳩は夫婦の愛を示し、左右にある蝶も魂と純愛の象徴、そして、百合もまた純潔の印です。そこに終わりのないエタニティ―の金の綱。これらから、永遠の純粋な二人の愛を象徴したロマンティックな作品であること解ります。
状態も良好でテセレはどこも抜け落ちていません。ヨーロッパでも今ではほとんど見かけることも無くなった最高級のモザイクの逸品です。
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