イソップ童話に出てくる金の斧は正直であることの大切さを伝えている。
誰もが子供の頃、絵本などで見聞きしたことがある金の斧と銀の斧の物語。
このブローチと出会った瞬間、子供の頃の事を思い出しました。
私が読んだ絵本では、木こりが斧を誤って、湖の中に落としてしまいます。すると、湖に住む水の女神様が表れ、「落としたのはこの斧か?」と金の斧を持って現れます。「いえ、違います」と木こりが応えると、次に銀の斧を持ってまた水の中から現れます。またもや「違う」と木こりは応えます。そして、三度目、女神様が木こりの鉄の斧を持って現れると、木こりは「そちらが私の斧です」と応えます。女神は正直である木こりに感心し、三本全ての斧を木こりに与えます。
それを聞いた欲張りな木こりがわざと湖の中に斧を落とすと、やはり、女神が金の斧を持ち現れ、「これはそなたの斧か?」と訊きます。「はいそうです。」とその木こりが応えてしまいます。女神は嘘をついたその木こりに怒り、そのまま水の中に消えてしまいました。そして、嘘をついた木こりは自分の斧まで失ってしまいます。子供ながらに女神さまとは怖いものだ、神様に嘘をついたら大変なことになると、池などを覗き込みと思っていました。
イソップ物語では、この水の神様はもともとは女神ではなく、ギリシャ神話のオリンポス十二神の一人であるヘルメスであったそうです。旅人と商人の守護神であり、幸運や富を司るなど様々な顔を持つ神です。
そうした誰もが耳にしたことがある金の斧のブローチはきっと、正直であることの大切を象徴したものなのではと思います。
宝石がセットされておらず、斧の柄の部分には細やかな模様が彫り込まれており、金の輝きが抑えられています。そのため、さり気なく使い易いと思います。男性でもジャケットの胸元に付けてみるのがおしゃれかと思います
その彫り込みの模様と丁寧さは、1860年代頃のリングの模様に類似した物があります。菱形に放射状の彫りはお花を表し、周囲が葉を表現してます。持ち手の部分は格子状の模様が入れられています。刃と対称なる菱形の部分も単純に平たいわけではなく、側面が表面から外に向けてカーブを描いた構造になっています。
裏はシンプルな作りですが、平面ではなく、丸みを帯びたデザインになっています。また、良質なブローチであることは針の根元を見ても伝わってきます。古い時代の手作りの金製の針の作りで根元が少し広がった構造になっています。
150年程経つにもかかわらず、状態の良い皮張りのオリジナルボックスは紛失することなく、共箱として残っています。内蓋にはシルクが使われ、王室御用達を示す王冠とロンドンのリージェントストリートにあった工房兼宝石商の名と住所が金の文字で入れられています。また、ブローチの形に合わせ凹みがあるビロードの摩耗にも時代が感じられます。
まず目にすることが少ないであろう、黄金の斧のブローチ。
時を越えても正直な心を照らす輝きは失われていません。
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