貴婦人の姿が一際分厚い積層メノウで表現された逸品カメオ
ここまでの厚みがあるストーンカメオは近年イギリスやフランスのマーケットでも見かけることが少なくなりました。
もし出会う機会があっても、その9割は彫刻の一部に欠けや傷があるか、もしくはメノウを光に透かすと背景にヒビが入っています。
こうした無傷でこれだけの彫りのストーンカメオはもうほとんど市場に出なくなってきました。
色合いも少し変わった積層メノウで、貴婦人の姿を表現した部分は通常の白というよりも淡いピンク色といった感じです。それもあり、貴婦人は温かみのある優しい女性像に映ります。その色合いに合わせる様に表情も美しくまた優し気です。博物館にある大理石のヴィーナス像を見ているようです。肌は舐めかで目には女性の若々しさと利発さが感じ取れます。耳元から顎へと伸びるラインと首との境の膨らみと陰影はこの作品がカメオであることを忘れるほどに自然でありまるで生きているようです。
細やかな彫りのボリュームのある髪の毛をみると、ティアラのように葡萄の髪飾りが彫られていることに気付きます。丸みのある葡萄とその葉が彫り上げられています。髪型も単調でなく変化のある物で、通常の女神のカメオとは異なります。
また、ふんわりとしたドレスと豊かな胸元が彫られているのもこのカメオの他の作品との違いでしょう。ドレスの様子は19世紀末のものよりもジョージアン期のロマンティックスタイルに近い肩にも膨らみのあるデザインです。体は斜め前方を向いており、それにより一層立体感が感じられます。
フレームは19世紀末らしいすっきりとしたデザインの物ですが19世紀のストーンカメオの枠の特徴である石の側面を出す構造になっています。しっかりと彫られたカメオの魅力が、このシンプルなフレームにより一層引き立てられています。また、装飾が華美でないフレームの雰囲気から現在でも自然に洋服に合わせやすいものとなっています。
尚、このカメオはブローチとして使われるのが多いでしょうが、ペンダントしても使用できます。裏側をみると、チェーンを引っ掛ける金具が付いており、針の根元を下方向にスライドすると取り外すことが可能です。針の受けは内側に折りたたむことが可能です。これによりペンダントして使用際には針や受けが当たることなく収まりが良いです。
針と受け、バチカン部分には梟の刻印が入っています。これは1893年以降にフランスで使われた金を示す刻印で、輸入品や再輸入品などに使われています。彫りの具合などから判断すると恐らくフランスで19世紀に作られた作品だと思われますが、イタリアで彫られ輸入された可能性もあります。
状態は非常に良好でカメオには一切傷はありません。フレームに光りを当てると下部の側面に少し凹みがあるのが解りますが正面から見た際には全く気にならないものです。
女性の浮彫部分だけで8mm程あり、横顔のモチーフとしてはここまで厚みがあるストーンカメオには出会うことはこれからも本当に少ないでしょう。
色合い、表情、写実性、厚み、状態、全てが揃った逸品です。
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