愛情の象徴かそれとも働き者のことを指すのか
蜜蜂を愛する女性に贈ることは、かつてイギリスで流行しました。現在でも、英語圏では愛する女性の事を、マイハニーやマイスィートと呼びます。そのため、甘いもののであるハニー(蜂蜜)の暗示として蜜蜂をモチーフにすることがありました。
それに対し、フランスでは蜜蜂は勤勉や秩序の象徴ともされています。ナポレオンも自分の紋章の一つにイニシャルのNや鷲以外に、蜜蜂を取り入れています。ダビッドの描いた戴冠式の中においても、ナポレオン自身やジョセフィーヌのマントには蜜蜂が描かれています。これは3時間しか寝なかったというナポレオンが働き者の象徴として蜜蜂を自らの紋章に取り入れたためと言われます。
勤勉さと秩序を重んじたローマカソリックでは蜜蜂をローマ法王の象徴としてしており、バチカンの中にも蜜蜂を大きくデザインされた列柱の間があります。また、豊穣と繁栄の印でもありました。キリスト教の繁栄と神の下での秩序ある豊かな社会を思い描いていたのでしょう。
国によってその意味合いは異なりますが、たくさんの意味合いを連想しながら身に付けるのも楽しいと思います。このブローチの裏面には15ctという15金を示す古い刻印が打たれていることから、かつてイギリスで作られたということが解ります。
私もこれまでにいくつかの蜜蜂のジュエリーを扱ってきましたが、このブローチが最も精巧に作れていました。胴体と羽、脚とそれぞれ別に製作され、その後、繋ぎ合わせられています。一度にキャストで抜いたものに比べ、やはり手作りの物は細部が繊細です。
羽や胴体には画像のように細かい彫り込みが入れられており、蜜蜂の体に生えている小さな毛までも表現されています。羽もまた細い脈まで丁寧に彫り込まれ、先端にたくさんの彫りを加えることにより、本物の羽のようにまるで半透明に透けているような印象も与えてくれます。脚先も分れ、全体を通し標本のように見える印象です。
胴部と頭部の裏には小さな穴が開いていますが、これは脚や羽を胴体に接合する際に熱を加えた時に中の空気が爆発しないために開けられたものです。
宝石が使われていないため、襟元などに女性も男性もどちらでも付け易いものとなっています。
勤勉である蜜蜂は豊穣と繁栄をもたらしてくれるものとして古代より人気のあったモチーフです。
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