カリブレカットのルビーと天然真珠のコントラスが美しい小振りの逸品
アンティークジュエリーには現在では見かけることのないモチーフの作品がいろいろとあり、そうした物と出会うのが楽しいとも言えます。けれど、最近はこうした何か主題のある面白い作品もヨーロッパのマーケットでも出会うことが少なくなってきました。
まずはこのブローチの作りを見ていきましょう。初めに目に入ってくるのは色鮮やかなルビーでしょう。カリブレカットと呼ばれる四角いテーブル面を持ったカットのルビーを連続して並べてセッティングしています。中央と先端にもそれぞれルビーがセットされ、ポイントとなっています。
また、ハート型をした笏の先端の中央には無核の天然真珠がセットされており、無核の厚い真珠層から生まれる照りに温もりが感じられます。ルビーやダイヤ、金属の硬質な風合いに真珠ならではの丸みとを帯びた柔らかな雰囲気が対比的にそれぞれを引き立ているようです。
隙間なくセットされているダイアモンドはローズカットが施されいます。台座の幅に合わせた大きさのダイアモンドがセットされ、それぞれの形に合わして台座も彫り抜かれ、彫り起こした爪で留められています。
ブローチの淵の部分には、細やかなミル打ちが施されており、小さな粒の光が全体を覆っているようです。真珠から横に伸びる細い線の上にも極小のミル打ち上下に施されており、ブローチの作りの良さがこうした所にも感じられます。また、真珠の周囲を囲むようにセットされたダイアモンドは台座の幅に合わせ次第に小さくなっていますが、さらに先端部分は小さなプラチナの粒が彫り上げられ連続しています。これはまるでダイアモンドが続いているような効果を生んでいます。
正面から見るとルビーがセットされている所の周囲は金が使用され、ダイアモンドがセットされている周囲にはプラチナが使われています。側面から見ると金で作られている本体にダイアモンドの周辺のみプラチナが薄く合わしてあることが分かります。エドワーディアン期から1920年代頃に見られる特徴的な作りです。
裏側をみると、それぞれの石の裏は丁寧にハンドカットで角度を付けて穴が開けられており、ドリルで開けられた丸い穴でないことが分かります。真珠から横に伸びる線の部分は裏側は太くなっており、強度を保つ構造のナイフエッジになっていることが確認できます。
留め具は当時最先端のストッパーが付いたもので現在の風車式の留具とは異なる構造になっています。実際に手に取るとしっかりと留まることがわかります。
襟元などに付けると形と色合いが華を添えてくれるような良質なブローチです。
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