19世紀中期の今から150年前のリング。
1880年代後半以降のリングになると、ぐっと目にする機会が増えます。それ以前、つまり19世紀中期以前のリングは製造数、残存数もぐんと減ります。
このリングには1871年の刻印が打たれており、今から150年も前に作られたリングにもかかわらず、状態がきれいに保たれています。中央には原石に近いようなファセットの少ないダイアモンドがハンドカットによるカットダウンセッティングで石の形に合わせセットされています。
その周囲には天然真珠が六つダビデの星のようにセットされており、覆輪留めと爪留めを組み合わせて留められています。肉眼では分かりにくいのですが、そのうち二つは表面の層が取れ、次の層が見えています。天然真珠は真珠層だけで形成されています。そのため、こうして長い月日の間楽しまれたことにより、表面が擦れても下の層も真珠層のため、その趣を保っています。こうしたことは養殖真珠ではありえないことです。養殖真珠は通常、花珠と呼ばれるものでも0.2mmほど厚くとも0.5mmほどなので、150年もの時を経たリングであれば、中に注入された貝殻が出てきてしまい、全く別物になってしまうでしょう。
左右には真珠の照りに合わすようにカボーションカットのルビーが三つずつ飾られています。ルビーはカットされたファセットのある物が多くカボーションを使用したリングは出会う機会は非常に少ないです。
台座は15金ですが、その中でも濃い黄金色のものが使われ、ルビーやパールを引き立ています。
刻印は、A.Aというメーカーズマーク、金の純度を示す15と.625、バーミンガムのタウンマークである錨、1871年の登録のアルファベットの大文字のWが打たれています。そして、一番右端に珍しくレジスターマークが入っています。
クローズドセッティングになっており、裏が金でしっかり覆われた指輪は手に嵌めてもしっくりとし、自然と肌の上に花が咲きます。指を動かすと、きらりきらりと小さな星のようにダイヤが輝きを添えます。左右のルビーはこの時代ピンクの色合いに近い物が多い中、真っ赤なワインのような赤さをたたえています。白い中央の花の横に葡萄が実っているようです。紫外線ライトを当てると蛍光発色します。
古い時代のリングはヨーロッパのマーケットを回っても目にする機会が減ってきました。きっと、物に力と美しさがあったからこそ、この長い月日を乗り越えてきたのでしょう。
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