










ダブレットになった今では却って希少なガーネットを使った色鮮やかな指輪。
このリングの特徴はその両脇にあるガーネットがダブレットつまり貼り合わせになっていることでしょう。
昔、初めて鑑別所にダブレットの宝石を持ち込み見てもらった際に、鑑別師さんから「久しぶりに張り合わせの宝石を見ましたよ。いまならここまでの手間をかけて作ることはまずないですからね。却ってこれだけ正確に貼り合わせたら普通に宝石その物を仕入れるよりも遥かに高くなってしまいますよ」と言われたことを思い出します。
その後も宝石の専門家の方から「今現在、宝石とガラスが隙間なく貼り合わせられるように接着面を同じ形、大きさにすることは困難であり、今では見られませんよ。」と言われ、このリングも物珍しそうにご覧になっていたのが印象的でした。
改めてリングを見てみると、一度サイズ直しをして大きしくているのでしょう。刻印が一部途切れているところがあります。シャンクの内側のそれらの刻印は、左から15の1が消えた5、.625どちらも15金を示しており、次に錨のマークがあり、バーミンガムで登録されたことを示し、アルファベットのVがあり、これで1870年に作られたことが解ります。
1870年という19世紀中期の指輪であるため、その後の19世紀後期の指輪と比べ金を薄く使いながらもボリューム感を出す作りになっています。ショルダーやフェイスは板を組み合わして中空になっています。フェイスの両サイドには金の板を曲げ装飾がなされています。シャンクの外側には手彫りで唐草模様が入れられています。よく見るとサイズ直しの際に金を足した部分のみ彫りがありませんが、周囲も摩耗しているため違和感がありません。今後再度サイズ直しする際にはこの部分を切って行います。
ガーネットはダブレットになっていることにより通常の赤黒さではなく、少しビルマルビーのようなピンクがわずかに感じられ鮮やかな印象を受けます。
150年前に作られた現代宝石にはない色合いと装飾の珍しい指輪です。
配送日時につきましては、在庫確認後のご連絡でご要望を承ります。
配送ラベルに記載する商品名・送り主名につきまして、ご要望があります際には最大限の配慮をさせていただきますのでお気軽にご連絡ください。
当店では以下のお支払方法をご利用いただけます。
*お客様のご都合にあわせて商品お申し込みの際にご指定ください。
*銀行振り込み手数料、代引き手数料の決済手数料はご負担いただいております。
*7日以内にご入金・お手続きが確認できない場合、キャンセル扱いとさせていただく場合がございます。