古代ギリシャの大理石像のような姿をした天使のカメオです。
日本で通称天使と呼ばれる翼のある少年像はギリシャ神話のキューピット(クピト)から来ていると事は良く知られています。愛の神でもあるキューピットは幼い子供の姿の時もあれば、こうした青年像で表現されることもあります。
このカメオは 凛々しい顔をした天使の横顔をモチーフとしています。
天使は人気のあるモチーフなのですが、最近はあまり天使のカメオ自体を見ることが無くなりました。目にしても、体は幼い子供ながらもおじさんのような顔をしているバランスの悪い物や太り過ぎの天使など、美しい彫りの物が減ってきてしまっていることを感じます。
この天使は滑らかな彫りをしており、天使の頬の柔らか味まで見事に表現しています。鼻筋は通り、目には知的な様子が伺い知れます。髪の毛は上部が経年により多少摩耗が感じられますが、ふんわりとした巻き毛の立体感は自然に表現されています。
翼は一つ一つの羽が細やかに彫り込まれており、羽毛に顔をうずめたくなるほどの表現力です。貝の凹凸のあるカーブを見事に生かしているため、立体感を普通のカメオ以上に感じさせてくれています。右側の肩の部分に少し茶色く見えるのは、ここに貝のえくぼと呼ばれる小さな点があるためです。
フレームは羽毛を組み合わしたような装飾が上下左右に施されています。裏側は金の線がフレームの内側に付けられており、貝が抜け落ちないようになっています。輪と貝の間に僅かに隙間があるため、貝を押すと少し動きますが問題はありません。
また、貝の裏面を見ると右側に少し削り跡があるように見えるのですが、これは貝をそのままのカーブの形で枠にセットすることができなかったため、枠に合わせて平らにしたためでしょう。これは、シャルカメオ自体はイタリアを訪れた裕福な貴族の子弟などがナポリ周辺などで購入し、その後、本国に持ち帰りフレームを合わして拵えてもらったためでしょう。
19世紀のシュルカメオは軽量化するために、裏面も削り磨いているため、裏面はこうして滑らかに輝いています。また、裏から光を透かすとモチーフの天使の姿が透けて見えるほどの厚みになっています。しかし、強度を保つために、しっかりと厚みは持たせています。
大きさも使い易く、胸元の中央または右側に顔を内向けに付けると収まりが宜しいかと思います。
古典的な表現による凛々しい天使の横顔が美しいカメオです。
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