19世紀にはローマンモザイクに使われた色合いは2万色もあったといわれます。色鮮やかな花々がまるで絵画のように咲き誇ります。
モザイクという技法は石や硝子などの細かい破片を敷き詰め表現する技法です。
古代シュメール文明まで遡ると言われます。その技術はローマ帝国からビザンチン帝国へと受け継がれていきます。その後、十字軍遠征により再びヨーロッパにもたらされます。やがて教会内を飾る装飾技法として繁栄し、18世紀にはジュエリーの世界にも転用されていくようになります。
やがてガラスの製造技術の発展により、様々な色合いの硝子片を使えるようになります。それは職人にまるでたくさんの色の絵の具を提供するのと同様の効果を生み、細密な点描画のようなモザイクが作られていくようになりました。
バチカンを訪れた旅行者への工芸土産として発展を続け、高度な技術を費やした作品が生み出され続けました。しかし、社会が工業化していく中で、モザイクのような長い時間と熟練した技術を要した工芸品は作られなくなっていきます。
19世紀のこのブローチなどは表面を指でなぞってもわずかな抵抗があるだけで、非常に平らに作られています。現代の作品とは全く違うレベルです。現代のモザイクのテセレに比べ数分の一の大きさの物は微妙な中間色で色のグラデーションを表現しています。
ローマンモザイクでは、キリスト教の題材をモチーフとした物、古代の建築物、お花の三つが代表的なモチーフです。その花の中でもこれだけ様々な花をモチーフとしたものは珍しいです。
おそらく薔薇、チューリップ、勿忘草、クロッカス、アネモネ、ケイトウなどかと思います。漆黒の硝子片を削りそこにセメントを敷き小さなテセレを敷き詰めていっています。最後に磨き抜き隙間を埋めて仕上げています。
カメオなどの同じ時代の工芸品よりも残存数は遥かに少ないのがローマンモザイクです。現在ではこうした細密なものは製造されておらず、リプロダクションもありません。
ここ10年イギリスやフランス、イタリアのマーケットで目にするほとんどは破損しており、テセレが抜け落ちているものや台座の硝子片がわれてしまってる物が9割を占めます。
見事なローマンモザイクの完品です。
フレームはゴールドの花弁が連続したような留め方のもので、ブローチの花々を引き立てています。裏をみると、小さな傷のようなものが見えますが、これはガラスを製造した時の空気の穴の跡です。
胸元に花を咲かしてみてはいかがでしょうか。
おそらく当時は使われていない時には額に入れられ飾られていたのでしょう。そのためか100年以上経た今も状態が非常に良好です。
配送日時につきましては、在庫確認後のご連絡でご要望を承ります。
配送ラベルに記載する商品名・送り主名につきまして、ご要望があります際には最大限の配慮をさせていただきますのでお気軽にご連絡ください。
当店では以下のお支払方法をご利用いただけます。
*お客様のご都合にあわせて商品お申し込みの際にご指定ください。
*銀行振り込み手数料、代引き手数料の決済手数料はご負担いただいております。
*7日以内にご入金・お手続きが確認できない場合、キャンセル扱いとさせていただく場合がございます。