一輪のダイヤの花がロイヤルブルーの中に咲く。
ロイヤルブルーエナメルやブリストルグラスの中央にダイアモンドやパールを一つ、もしくは星状にセットしたリングやブローチが19世紀には人気を博しました。
私もここ20年以上、そうしたリングなど扱ってきましたが、このリングは珍しく花の花弁だけでなく茎や葉も一緒に装飾された珍しい様式となっています。
花だけではなく茎や葉が加わるだけで、これほどまでにも優しげな雰囲気になるのですね。
このリングは、以前、長年付き合いのあるイギリスのディーラーが癌を患った際に、少しでも力になればと買い求めたものでした。その後、彼女は快復し今は全く癌であったことが嘘のように元気にやっています。彼女は大変珍しいアンティークジュエリーだけに拘り扱っているディーラーです。そのため、値段が少し他のディーラーよりも高めです。そのため、当店も初めにお出ししていた価格は現在の物よりもかなり高かったのですが、今回自粛期間中にお値段を大幅に下げてみました。
大変希少性の高い最近ではほとんど見かけなくなったようなしっかりと時代のある19世紀前期ジョージアンの終わりくらいからヴィクトリア時代の初期頃のリングです。
中央にセットされた銀台の花はブリストルガラスに穴を開け芯留めされています。フェイスの裏は指に沿うようにカーブを帯びた金の板で覆われたクローズドセッティングになっており、繋いでいることは見えません。けれど光を当てながら側面から見るとわずかに花とブリストルグラスがつながっている箇所が確認できます。
ブリストルグラスの周囲には天然真珠が一周しています。指輪として実用的に使用されていたためでしょう。ルーペでみると小さな傷が真珠にはあることがわかります。それでも無核真珠のため200年近い時を経ながらもその照りは失われることなく、真珠層の厚みから生まれる柔らかな光沢を未だに感じさせてくれます。
ダイアモンドは中央に一際強く輝きを放つものはオールドヨーロピアンカットが施されており、周囲に光りを添えているものはローズカットになっています。
フェイスの裏側をみると少し黒く変色しているところがあります。これはいくつかの金のパーツを組み合わる際に使われた蝋付けの金属が変色した物でしょう。これによりこのリングがシャンク、フェイス、フェイスの裏側と三つのパーツを組み合わして作られていることが判ります。その接点を指で触っても抵抗を全く感じないほどに滑らかに合わされています。アンティークを求める時は実際に指で触って見るということが真贋を見極める大きな要因になります。こうした裏の作りの良い物は時代を経てきたアンティークの一つの特徴といえます。
フェイスの裏側がカーブしているため指当たりが良く、また、上下が少し薄くなるようにカーブを描いているため、フェイスの表面積が大きいにもかかわらず、指を動かしやすくストレスを感じさせません。こうした作りにも昔の職人がいろいろと考え一つのリングを作っていたことが伺い知れます。
実際に指に嵌めると肌の色にロイヤルブルーの色合いが際立ち、さらにダイアモンドがその中に浮かび上がるようです。また、指を動かすと光が当たり紺色の中に青い光線が漂うに表情を変えてくれます。
サイズは9号と小さめですが、サイズ直しも可能ですからお気軽にご相談ください。
長い時を経ても咲き続ける一輪の花は、これからもずっとその輝きをたたえていくのでしょう。
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