ルビーの花が咲く薄型ロケット
20世紀初頭に作られた特徴が見られるロケットです。
ロケットは写真の普及により19世紀末頃から多く作られるようになります。それまでは写真よりも髪の毛を収めるために作られたロケットが主流であったため、本体の厚みももっと厚く作られ、ペンダント以外にもブローチの裏面などもヘアーコンパートメントとしてロケット状の構造になった物が多かったです。
この時代になると、ペンダント本体の厚みも写真用となり薄くなります。この3ミリという薄さで製作されていることからも作品の作りの良さが伺い知れます。現在の一般に流通しているキャストと呼ばれる流し込みの台で作られたものはこの倍くらいの厚みの物が多いです。
ハンドメイドで作られた蝶番よりもわずかに厚みがあるだけです。反対側の向かって右側には開く際に爪をかけるための球状の突起が上下に付いており、ここから開くことが可能です。その間にはしっかりと閉まるように小さなフックが付いています。
ロケットの表側には三つの溝が彫られそこに埋め込まれるようにルビーが爪留めされています。こうしてゴールドの表面に彫りを入れ、宝石をセットし彫った線で植物や星等を表現する細工は1900年頃のジュエリーに多く見られる技法です。
一方、裏面には飾り文字でMDとイニシャルが彫り込まれています。手彫りで失敗が許されない中、大変美しい曲線でデザインされた飾り文字にもこの時代の職人の技術力の高さが伺い知れます。文字でありながらまるで植物のようにも感じ取れます。
ロケットを開くと両面にガラスがあり、二枚の写真が収納できるようになっています。硝子の周囲には金のフレームがあり、ここを針を使い外すと硝子も外れ、下に敷かれた布と硝子の間に写真が収納できるようになっています。
蓋を閉じるとカチっという音と共にしっかりと蓋が閉まります。バチカンは程よく大きさと幅のある物で、通常のチェーンであれば通すことが可能でしょう。現状は現代の10金製のチェーンを合わしています。
ロケットが多く普及したこの時代、イギリスではフロント&バックと言われる内部が真鍮で表面が9金で作られた物が大量に作られ、現在でもマーケットで見かけるものはこうしたメッキのものです。この作品のような内部まで真鍮を使わずに作られているものは、特にこうした小さいサイズでは珍しいです。
ルビーの小さな花が咲くロケット。さり気なく普段使いで楽しんでいただけると思います。
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