フランスからイギリスに輸出された20世紀初頭エドワーディアン期のブローチ
透かし細工とミルグレインの美しい20世紀初頭にフランスで作られた優美なブローチです。フランスではベルエポックと呼ばれ文化芸術、工芸が栄えた時代であり、イギリスではエドワード7世の統治のもとの時代でした。
この時代には酸素バーナーの普及により融点が高いプラチナの使用がジュエリーにも広がっていきます。プラチナは粘着性と割る物質により硬さを兼ね備えているため、それまでシルバーではできなかったような細い透かし細工やミル打ち、小さな爪でのセッティングなどが可能になりました。
この作品はプラチナと18金の板を合わせ、それを彫り抜いて透かし細工にしています。接続部分はナイフエッジも使われており、表から見ると非常に細い線で繋がっています。驚くことにそのつなぎの部分にもミル打ちが施されています。
また、内部の透かし模様の輪郭には全て極小のミル打ちが行われ、一つ一つもミルグレインが遠い空の彼方に輝く星屑のような微かな輝きを放ちます。中央にはトランジッションカットのダイアモンドがミル留めされており、ファセットが煌めく輝きを放ちます。周囲にはローズカットのダイアモンドが散りばめられ、硬質な反射光を見せてくれます。また、ハーフカットでなく球状の天然真珠が裏から芯留めされ飾られています。自然界からの恵みである真珠が入ることによりダイヤとプラチナだけのブローチの硬い輝きある魅力と異なる柔らかく優しい印象も感じられます。裏をみると、真珠もダイヤの裏側同様にオープンセッティングになっているのですが、開いている穴に橋を架ける様に金の線があり、その上に芯があり真珠を留めています。
ダイヤの裏面をみると、手彫りで彫り込んだ跡があります。それぞれの石に合わして淵を残しダイヤの裏面が開くように中心に向かい彫っているのが解ります。大変な手間です。
金の針とブローチの側面をみると、マーキュリーの横顔の刻印が打たれています。これはフランス製の金製品の輸出用の印です。あまり見かけることのない珍しい刻印です。フランス製の作品は絶対数がイギリス製に比べ少ないですが、一つ一つのクォリティーが高い物が多く、この作品もそれに漏れず、まさにベルエポックと呼べる仕事の素晴らしい作品です。
ブローチというと横向きに付ける印象ですが、斜めはもちろん、意外にも洋服の中央に縦に付けるのもお勧めです。すっきりとしたシャープなイメージで使っていただけます。
本体価格は40万は割る388,000円ながらも100万クラスの作品にも見劣りしない素晴らしい職人技が施されたブローチです。
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