驚くほどの軽さの200年ほど前の作品
19世紀初頭に作られたジョージアンのチェーンやブレスレットはそのボリューム感のある見た目とは異なり大変軽量で、手に取ると驚くほど軽いです。
20年ほど前には高額であってもお金を出せば手に入ったこうしたジョーアンの金細工ですが、最近はイギリスでも出会う機会がめっきり減りました。それは中国でのアンティークジュエリーのブームにより、中国人バイヤーがその旺盛な購買力で相場よりも高くとも、構わず買い続けているからでしょう。
彼らは10年程前には中国製のアンティークや珊瑚、翡翠、象牙、鼈甲などの中国趣味の装飾品のみを仕入れていた印象でした。しかし、今はジョージアンの作品など時代のある希少品が好まれているようです。私が買い付けしている横でも次々に高額のジョージアンやヴィクトリアンの作品を買っている姿を目にします。
そうした状況の中、久しぶりに手に入れることができた手の込んだ細工のジョージアン期の作品です。4本の金の板を螺旋状に編み上げて立体的に形作っています。一見どのように作っているのか分からない構造ですが、ジョージアンのチェーンで稀にみられる構造です。その表側には丸が連続したドット模様が入れられています。これは、金の板を熱した状態で、表面にケーキに模様をつけるローラーのような物で、模様づけしています。螺旋の外側に来る部分にこの模様が見られ、艶消しの輝きのような効果を生んでいます。
留め具の付いた先端が少し細くなっており、対角線上の部分の直径が少し太くなっています。これによりこのブレスが長いネックレスチェーンの一部だったものを後の時代にブレスに作り変えた物ではなく、オリジナルでブレスレットとして制作された物だと判断できます。
留め具もジョージアン期のオリジナルのものが付いており、手の形をしています。この手の部位は薄い金の板を叩いて整形し裏打ちされた中空になっています。指にはエメラルドが手首の部分にはルビーが覆輪留めされています。小さなルビーはビルマ産のもので、紫外線が当たると明るく発色します。
状態はチェーンの部分に凹みや修復などもなく良好ですが、ルーペでよく見ると留め具のルビーの周囲に小さな穴がいくつかあります。ジョージアンの作品は金が大変薄いため、こうした傷や穴は多くの作品に見られます。差し込み式の留め具は手の裏側に付いている筒に入れ込む形になっているため、留め具には影響はありません。
金が高価であった時代だからこそ、これだけ、金薄く伸ばし、立体的にボリューム感のありながらも、軽量な作りになっています。尚、ゴールドラッシュが始まる前の1848年の金の産出量はその後、カルフォルニアやオーストラリア、南アフリカなど次々に起きたゴールドラッシュ後の1908年の産出量に比べ100分の1以下でした。それだけ、19世紀前期には金が希少で高価であったということです。
こうした時代的な背景もあり、作られたジョージアン期のブレスレットです。長さ22センチと割合長めですので、手首が細い方ですとずり落ちてしまうかもしれません。ご購入の際には長さをご検討の上判断いただければと存じます。
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