岩のように固い忠実さ、誠実さを伝える印章
ジョージアン期に作られたフォブシール。18世紀から19世紀にかけての男性の正装時にはフォブシールは必ず腰から提げて使われました。当時は正式な文章には全て封蝋として蝋を垂らしそこにこうしたシールで紋章などを打ちました。紋章以外にもラテン語のモットーやイニシャルなどのモノグラム、動物等が多くのモチーフが彫られています。
この作品は硬度7という硬いカーネリアンをルーペで見なければ、判読が難しい程の小さな文字なども彫り込んでいます。私も仕入れた時は彫られた文字が読めなかったのですが、仕入れ最終日にロンドンの鑑定士の所に持っていくと、彼女がそのモチーフと文字に感心し、笑顔共に教えてくれました。鏡に映し拡大して見て、やっと文字がはっきりと解読できました。
そこには、FAITHFUL AND FIRM と文字が彫られ、よく見ると大きな岩と座した犬も彫られています。Faithful は 忠実や誠実を意味する言葉で、Firmは固いです。同様に、犬は忠実さを暗示するモチーフであり、岩は固いということをイメージさせてくれます。モチーフと文字が同様の意味を持ったものが彫られており、固い忠実、固いほどの誠実をモットーとした人が保持していたのか、それを伝えようとした際に使用されたのでしょう。
身に付けた際にはこの彫りの部分は正面からはほとんど見えず、代わりに深い凹凸の彫金細工が魅力的な印象を与えてくれます。ジョージアン期ならではの凝った装飾はハイカラットゴールドで作られており、しっかりとした重量感があります。チェーンを通す穴も大きく、様々な太さのチェーンを通すことが可能です。現在はロングネックレスを通してペンダントとして使用することがお勧めです。
格言のように岩と犬が彫られた、昔の人の騎士道のような忠実な精神を示すものであったのか、もしくは恋人に固い誠実さを伝えれるための物であったのか。200年程前に作らせた英国貴族のことを連想してみたくなる希少な作品です。
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