サファイアとダイヤモンドの輪が交差したアールデコ様式のブローチ
カリブレカットと呼ばれ、表側に出てくる部分が四角錐に近い四角形のテーブルを持ったカットが隣の石と隙間なくセッティングするジュエリーが1920・30年に注目を浴びます。そこには主にサファイアやルビー、エメラルドなどの貴石が使用されていました。丁度この頃、シンセティックサファイアやシンセティックルビーなどの人工石が宝飾品に使用されるようになります。
ルビーは硬度9と硬いため、機械式腕時計の中身では軸受に人工ルビーが当時から使われています。
人工ルビーは天然ルビーと異なり、インクルージョンもほとんどないため、軸受として磨耗しにくいだけでなく、砕けにくいため、使用されています。
同様にカリブレカットでは、セッティングの際にインクルージョンの多い石では破損してしまうことが多いため、人工石が多く使用されていました。中央に数カラットの大きなダイアモンドやルビー、サファイア等の高価な宝石をセットしながらも、カリブレカットには人工石という場合も多いです。
私も仕入れをする場合には十分な注意を払って仕入れていますが、確信は持てないので、必ず帰国後、宝石鑑別所にて調べてもらっています。シンセティックルビーの場合はどこか独特の鮮やかすぎる色合いがあります。カリブレカット以外にもこの時代日本も含め世界中で多くの作品に使用されており、経験則である程度は判断できます。
また、カリブレカットを使用したジュエリーにはリプロダクションも多いのが特徴です。南米でその多くは作られており、アメリカを経由し、ヨーロッパのマーケットにも流れていっています。人から人への手を経る内にそうしたリプロダクションもいつの間にかアールデコの作品として取引されていることを目にします。
ただ、そうしたリプロダクションはカリブレカットが同じ大きさの石を並べているものです。このブローチのような台座の形に合わして大きさや形状が次第に変わるものは見ていません。それは、セティングが難しいこと、石の研磨が台座に合わせるため、一つ一つしなくてはならず、大量の同じものは使用できないことなど、技術と採算が合わないためだと思われます。
天然のサファイアを使用し、これだけ、色を合わせることも大変なことです。ルーペで見ても隣の石と石の間にほとんど隙間はなく、見事な研磨技術、セッティング、台座の制作技術です。右端の最も大きなサファイアは台座の形に合わせ五角形のテーブルを持った特別の形をしています。
プラチナのエッジと同様にカリブレカットのサファイアを上下で挟む金の台座のエッジにも細やかなミル打ちが施されていることに驚かされます。金の台座と対になるプラチナ側には先端の端には三つのオールドヨーロピアンカットのダイアモンドがセットされ次第に小さくなるダイアモンドはローズカットが施されています。そして、中央には左右にそれぞれオールドヨーロピアンカットのダイアモンドがミル留めでセットされています。
プラチナと金の輪は上部ではプラチナの輪が、下部では金の輪が表側に出て交差しています。二つの輪が結びつくことは男女の融合、永遠の愛を象徴しています。
ブローチの裏側は金で出来ており、サファイアとダイアモンド双方の石の裏は見事にハンドカットで開けられています。ダイアモンドの裏を除くと、裏側の表面は四角い穴ですが、中は次第に丸くなっています。石が抜け落ちないようにしながらも、最大に光が抜けるように考えてカットされているためです。サファイアの部分も同様に最大に光が抜けることを考え、僅かな角度が付けて穴が一つ一つ丁寧に開けられています。
針の受けはストッパーが付いた当時の構造になっており、14Kという14金を示す刻印が入れられています。針にも585という金の品位を示す刻印があります。
サファイアは深みがありながらも光沢と反射光があり、ダイアモンドの硬質な輝きと対比的です。それは陰陽のようであり、ナイト&デイのように空間が広がる美しさが感じられます。
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