鮮やかなエナメルの中に色の妖精が躍るオリジナルボックスに入った逸品。
イギリスから届いた荷物を開け、箱を開いた時の感動は今も思い出されます。画像よりも実物は多くの場合、どれも美しいのですが、このブローチは特に画面上で目にしていたよりも、華やかさと存在感のある作品です。
オリジナルボックスにはカンタベリーの宝飾時計店のロゴが入れられており、マルタクロスのようなマークが入っています。大聖堂で有名なカンタベリー、私も16歳の時に初めて一人で訪れた海外がカンタベリーでした。大聖堂に続くように古くから続く商店街があり、たくさんの人で賑わっていたのが思い出されます。きっと、このブローチが作られた19世紀もイギリス各地からの人々で賑わっていたのでしょう。
その作りを見ていくと、中央には厚みがあり、緑やピンク、オレンジ、青、黄色などの遊色効果で様々な輝きを放つオパールが金による覆輪留めでセットされています。こうした良質なオパールは1870年頃からオーストラリアから輸出が始まります。ホルバイネスク様式が流行する時期とも被り、恐らく1870年代に作られた物だと推測できます。
その周囲にはローズカットのダイアモンドが二重にセットされています。それぞれの石は彫り込まれた凹みに入れられ、小さな爪で留められています。外側のダイアモンドの周囲はスターセッティングのように星型に近い形に溝が彫られています。さらに外側には天然真珠が真珠層の厚みから生まれる照りをたたえており、やはり彫り上げられた爪で留めされています。
緑や赤、濃紺の部分にはエナメルが焼き付けられています。境の部分の台座は彫り残され、金が枠のようになっています。緑と赤のエナメル部分の台座には線状の模様も彫り込まれ、半透明のエナメルが透け、エナメルの厚みに差が生まれることから濃淡ができ模様が浮かび上がります。後の時代の旋盤を利用したカットとは異なる手彫りによるどこか温かさが感じられます。濃紺のエナメルが周囲を囲み全体がまとまった印象に映ります。肉眼では分からなかったのですが、ルーペ見ると小さな傷が濃紺のエナメル上にありますが、ほとんど気にならないものです。
裏側をみると硝子が嵌め込まれたロケットになっており、金の枠ごと、取り外すことが可能です。硝子と布の間に写真が入れられるようになっています。ロケット部分を取り外すと、ブローチの裏面が見えるようになっており、製作時の難しい数々の工程があったことが判ります。
鮮やかなホルバイネスク様式のブローチ。小振りながらも存在感のあるブローチです。
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