アールヌーヴォー期のデザインと高度な技術と良質な素材が揃った状態の良い逸品。
20世紀初頭のジュエリーはミル打ちが施され、細い透かし細工等が入れられた繊細なものがあり、いつも感心させられます。しかし、その多くは、ミルグレインが摩耗し、細い線が曲がってしまっています。ブローチやペンダントなどに比べ、リングは日常的に使用されることも多く、また、接触することや擦れる機会が多いです。100年以上の時を経ていく中で、どうしても良質な状態を保てなくなっているものが多いのが実情です。そうした中、ミルグレインには摩耗が一切なく、繊細なナイフエッジの細い線も曲がらず、石の表面やエッジにも傷や摩耗がない非常に状態の良いリングです。
フェイスとショルダーの表側にはプラチナが使用され、シャンク全体とフェイスとショルダーの裏側には18金が使用されています。また、フェイスの中でもエメラルドとルビーをミル留めで囲んでいる部分には18金が使われています。ここに金が入ることによりプラチナ一色よりもフェイスにアクセントが加わり、優雅さがより感じられます。
ルビーは花を表現しているのか、曲線を帯びた線が蔓のように伸びており、その先は二つの葉の模様になっています。蔓の部分を含めすべてのエッジには細やかなミル打ちが手を抜かれることなく打たれています。ルビーの花のような赤とエメラルドの緑は葉を表現するようで、二つが揃うことにより、植物のイメージが自然と感じられます。ルビーは熱処理が施されていない、天然色であり、エメラルドは艶やかな照りがあります。エンハンスメントはされていないため、ルーペで見ればインクルージョンが見えます。
プラチナの台には隙間なく、ローズカットのダイアモンドが台座の幅に合わせセットされ一つ一つ爪留めされています。フェイスとショルダーの石がセットされた部分は全てハンドカットで丁寧に開けられています。1930年代になるとドリルの丸い穴が増えてくるため、こうしたハンドカットは減っていきます。オープンセッティングが施された裏側の穴を見ても時代が感じとれます。
18金のショルダーの外周、フェイスと対角線上には鷲の刻印が入れられており、フランス製の18金であることが判ります。その隣にはクローバーの刻印があります。アイルランドのダブリンの刻印でしょう。1904年から1906年にかけて金の輸入品に打たれたものです。丁度、そのデザインや素材、作り方から1900年代初頭と考えられるため、刻印と時代も一致します。もう一つMDという刻印があり、これはメーカーズマークでしょう。
優美なデザイン性と丁寧な作り、そして、状態の良さ全てが揃った良質な指輪です。指をエレガントに飾ってくれることでしょう。
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