バッカスの姿をした美青年アンティノウスをモチーフとしたカメオ
古代ローマ五賢帝の一人ハドリアヌス帝が愛した美青年アンティノウスをモチーフとしています。このカメオの元なったバッカスに扮したアンティノウス像はヴァチカン博物館内に並ぶ人の背丈の倍はる大理石像です。その像はティボリにあるヴィッラ・ハドリアヌスから発見された物です。
古代ローマ五賢帝の内で三番目に即位した皇帝ハドリアヌスはティベリウス帝によって広げられた広大なローマ帝国の領土の安全と安定を確保するために、帝国各地を巡回し直接自らの目で確かめました。広大な領土を巡察する中、出会ったのがビテュニア(現在のトルコ領内)出身のアンティノウスでした。
出会いから数年後、18歳前後であったアンティノウスはナイル河で溺死してしまいます。自らの美貌が褪せていくことに耐えられなかったため、ナイル河に飛び込んだとも言われています。
永遠の美を皇帝の思い出の中で保ち続けた美の化身アンティノウス。ハドリアヌス帝はその死を悼み、帝国領各地にアンティノウス像を作らせました。その中でも最も有名なのが、先ほど記したヴィッラ・ハドリアヌスから発見されたアンティノウス像です。
19世紀グランドツアーで訪れる貴族たちもきっと、ヴィッラ・ハドリアヌスには足を運んだことでしょう。その記念として本国に持ち帰られたのが、こうしたカメオです。
私もこれまでいくつかのアンティノウスをモチーフとしたカメオを扱ってきましたがその中でも特に彫りが美しいカメオです。頭部に飾られている葡萄は一つ粒一つ粒が丸みをしっかりと帯びており、葉も一枚一枚が浮き立ち、陰影で立体感が感じられます。もちろん一本一本の髪の毛もふわりとした膨らみがしっかりと表現された生きた彫りです。
細やかな頭部の彫りとは対照的に非常に肌は滑らかで体の温もりが伝わるようです。このカメオが他の人物像のカメオと異なるのは、アンティノウスの頬から首筋、胸元にかけて僅かに貝の色が茶色の層を透かすように使っていることです。通常は白い層を肌の部分に使用するのですが、このカメオはお酒の神であるバッカスに扮したアンティノウスがモチーフのため、お酒で頬が火照った姿を表現するために、微かな貝の層の違いを生かし彫り上げられています。
こうした大変優れた彫りに合わすように、フレームは手の込んだ装飾が施されています。古典的な模様です。太さの異なる金綱を二重に重ねた内枠があり、その周囲にcを横向きにしたような装飾を連続して蝋付けしていっています。さらに外側にも二重にロープ模様が施されています。素材には金の含有率が41.44%(約10金)地金が使用されています。
美の化身アンティノウスをモチーフとした美しいバッカスの姿をしたカメオです。
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