薄い白蝶貝をカメオ彫りにし、浮き上がるように表現した逸品
白蝶貝を使ったカメオはフランスやスペインなどで聖母像をモチーフと彫られた物が一般的でした。それは、白蝶貝が不思議な光の反射が聖母マリアの光輪の輝きを連想させたからかもしれません。
多くの場合、マリア像の横顔を捉えたもので、全身像の物は顔がほとんど彫られていないものを目にします。そうした通常の聖母像のカメオとは異なり、このペンダントは宗教的ではないモチーフの珍しいタイプです。
白蝶貝の限られた厚みを生かし、二人の女性が並び、手にはバラの花が握られています。恐らく母と娘なのではないでしょうか。顔を寄せ合う姿に温かい空気が感じ取れます。上部左右には花模様の装飾もなされています。
フレームはプラチナフロントゴールドバックとなっており、表側には薄くプラチナが使われ、側面と裏側は金が使用されています。フレームのデザインもこの白蝶貝のカメオに合わせて特別に作られた物なのでしょう。上部には地平線から昇る太陽のようなイメージにローズカットダイヤがセットされています。その周囲には澄んだ色合いの天然サファイアがカリブレカットされ並んでいます。サファイアとダイヤがセットされたプラチナの台の淵には極小のミルグレインが施されています。
この時代、すでに人工サファイアが作られており、石をセットする際に割れることが多かったカリブレカットでは人工サファイアが使用されることが多かったのです。しかしどこか均一で味のない人工石と異なり、微妙に色合いに濃淡がある天然サファイアの温かみが感じられるものがこのペンダントにはあります。
また、上下の外周には穴を開けられ芯を通してセットされている天然真珠が柔らかな光沢を添えてくれています。その間にはミル留めされたダイヤがあり、星のような光を放ちます。最下部では米粒のような形をした天然真珠が揺れ動きます。
裏を見てると、各部がブリッジワークで繫がれているのが判ります。太鼓橋のように裏に膨らみを持たせ繋ぐことにより、表から繋ぎ目が目立たないようにする技法で、良質なエドワーディアン・ジュエリーに見られます。このペンダントもそのブリッジワークが表から全く見えない作りになっており、驚かされます。
また、太陽を思わせるデザインにローズカットのダイヤがセットされた金の裏面はハンドカットで開けられており、花びらのような模様の穴となっています。
バチカンにもローズカットのダイヤが二つセットされており、エッジにはミル打ちが施されています。チェーンは現代の9金のホワイトゴールドのものが合わしてあります。
ペンダントを手に取り、動かすと優し気な二人の姿が浮かび上がり、心癒されます。アンティークジュエリーならではの職人のセンスと高度な技術が費やされた逸品です。
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