1865年という歴史を探れる物語の詰まったリング。
中央のダイアモンドはテーブルカットというファセット(カット面)が少ない18世紀以前に見られるカットです。四角いテーブル面を持ちます。左右にはオールドマインカットのダイアモンドを縦置きしています。
骨董市で朝早く暗い中、手にした時にはカット数が少ないので水晶かとも思いました。けれど、ホテルに戻り灯りを付けるとダイアモンドらしい硬質な反射光を放ちました。
また、左右に飾られているルビーも同様に購入時にはガーネットかアメシストかと思いました。ダイヤ共々クローズドセッティングで裏が閉じられているため、色目と輝きの具合がオープンセッティングと異なり、暗い灯りの中見間違えました。しかし見間違えたのは私だけでなく、イギリス人のディーラーも同様で、水晶とアメシストが入った古い19世紀中期のリングとして購入したのでした。
そのため、時代がありダイアモンドも小さくなく厚みもあり、ルビーも使用され、状態も良く刻印が入り製作年まで解るにも関わらず、相場の半分以下で仕入れることができました。そのまま販売価格も設定しましたので大変割安になっています。
帰国後、宝石鑑別所に出すとやはりダイアモンドとルビーでした。
蛍光灯の灯りでみると、クローズドセッティングでもルビーの赤い色合いが解ります。
シャンクに入れられた刻印をみると、左から、15、625、錨のマーク、アルファベットの大文字のQが入れられています。これにより15金を使用しバーミンガムで登録され1865年に作られたと解ります。
ショルダーは溝が入れられた二股のデザインで、植物の葉のようです。私もまったく気づかなかったのですが、磨き直しをしている際に見つけました。よくみるとフェイスとショルダーをつなぐ部分に蝋付けの跡があり、補強したのだと思います。
フェイスの側面には金の板を丸めて作ったインフィニティマークが四つずつ両面に並んでいます。
テーブルカットが使用されているのは恐らく18世紀以前にカットされたダイアモンドを当時用いて作られたためでしょう。1865年というと1866年に南アフリカでダイアモンドが発見される前年です。19世紀後期に比べ遥かに産出量が少なく貴重であった時代です。昔から伝わったダイアモンドを大切に使ったのでしょう。そして脇に当時カットされたオールドマインカットのダイアモンドをセットしたのでしょう。
時代的な価値がある希少なリングです。
刻印とカットにより、その時代背景に思いを巡らせることができる逸品です。
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