アーツ&クラフトとユーゲント・シュティールを結び付け時代を代表したマールベネットの作品
19世紀末から第一次世界大戦までの時期にアーツ&クラフトやアールヌーヴォのジュエリーを製造、販売し、時代の先端をいったマールベネットの作品です。
マールベネットはドイツ移民のエルンスト・マール(Ernst Mürrle )とイギリス人のジェイ・ビー・ベネット(J.B.Bennett)によってシーゲル&ベネット(Siegele & Bennett)として1884年にロンドンに設立されました。その後、1896年にマールベネット商会と社名を変更しました。
ドイツのブフォルツハイムにある工場で製作され、そのジュエリーたちはイギリスのリバティーやアーツアンドクラフツエンポリアムにて販売されていました。イギリスの同時代を代表するデザイナーでリバティーのデザインも担ったアーチボルド・ノックスやドイツの革新的なジュエリー製作者テオドル・ファーナーとの繋がりも生かされ、デザインや製造の依頼をしていました。
第一次大戦後、エルンスト・マールは会社から手を引くこととなり、1916年に会社は売却されホワイトレッドグローヴ アンド ホワイトと社名を変更し同じ住所で営業は続けられました。
このブローチは裏のMBCoのマークによりマーク&ベネット商会の物と判断できます。
ドイツではユーゲント・シュティールがアールヌーヴォと同意として19世紀末から20世紀初頭にミュンヘンを中心に発展した世紀末美術です。やがて、ベルリンやウィーンにも広がっていきます。ユーゲントは若さをシュティールは様式とうい意味であり「青春様式」とも呼ばれました。構成と装飾の一致を理念とし、美や快楽と実用性を融合させることを主たる目的としていました。アールヌーヴォ同様に動植物や女性のシルエットなどをモチーフとし曲線美が尊重されました。左右非対称と直線的な平面も強調されていたのが特徴です。
このブローチもアイビーのような三つの葉と蔓が表現され、葉の表面は丸みを帯びながらも特徴的な平面を持っています。シードパールが爪留めでセットされた台座は膨らみのあるアーモンド型で白い花の蕾のようです。葉と蔓は別々に作られ、それぞれを裏から溶接し繋いでいます。正面からは葉が下部の蔓と繋がっている箇所が見えないように考慮されています。葉の裏にはメーカーズマーク以外に9ctという金の純度が9金であることを示す刻印も打たれています。
良縁を繋いでいくというアイビーのブローチ。今ではイギリスのマーケットでも見ることも少なくなったマールベネットのブローチです。
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