非常に丁寧に作られている鳥の羽とリボンをモチーフとしたヴィクトリアンのブローチ
アンティークジュエリーの世界では様々なシンボルが使われています。それぞれのモチーフには隠れた意味が込められています。
このブローチに使用されている羽は従順を表しており、リボンは愛が結ばれることを示しています。つまり、愛への従順な思いを表現したジュエリーです。ロココ様式の影響であり、18世紀から19世紀初期に特に人気を博したデザインですが、その後もその人気は失われることなく、こうして19世紀後期の作品にも見られます。
このブローチを見てみると改めてその作りの良さに感動します。表も裏も石のセッティングが大変丁寧で見事です。シルバーフロントゴールドバックになった構造は表側に銀を使用し、裏側には金が使われています。表面の銀の部分は羽やリボンどちらも、フレームがあるような構造になっており、その枠の内側が少し凹み爪でダイアモンドがセットされています。これは平らな平面に彫り込みを入れ、周囲を残し、彫り下げた部分から起こされた爪を利用し石留めをしています。
ルーペで確認していくとラウンドシェイプのオールドヨーロピアンカットとクッションシェイプのオールドカット両方が使われている角期の作品であることが判ります。それぞれの台座の幅に合わせ大きさや形の異なるダイアモンドが入れられています。全体はたくさんのダイアモンドの輝きと小さな爪の反射光が融合し落ち着いた光を放つ印象です。
裏側は金の台座を抜ける光が最大限になり、更に強度を保てるように考え抜かれた上で、ハンドカットで穴が開けられています。微妙に異なる石の形にも合わして穴は彫られています。現代物の多くは手間を省くため、こうした宝石の裏側をドリルで開けていることが多く、穴が丸くなっています。そうなると、余分な台座の面積が広く、穴が相対的に小さくなります。羽の部分の内側に面した穴は先端がチューリップの花のようなデザインにもなった彫りになっていることにも、驚きと楽しさが感じられます。
裏のブローチ金具は中央がネジ式になっており、スクリューを回すと取り外しが可能です。金具を外した際には、本体をブローチとして使用する際と上下反対にし、上側にきたリボンの輪にチェーンを通しペンダントしても楽しめます。
外したブローチの金具を付ける際にはネジ穴の左右に開いた穴にネジの左右にある金の突起を差し込みネジを回していけば良い構造になっています。金具の角度を考えることなく、容易に装着が可能です。
また、ブローチの針の受けは当時のままのストッパーが付いたもので、安心して使用できます。ストッパーは緩んでおらず、かと言って硬すぎることもありません。もちろん他にシリコンストッパーもお渡し致します。この構造のストッパーは19世紀末頃から見られるものであり、この作品が1890年前後の作品である判断の要因になります。
職人の数え切れない程の手彫り作業により出来上がった優美な曲線と立体感のあるブローチ&ペンダント。サイズも使い易く19世紀ならではの愛の表現がなされた逸品です。
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