日本画から飛び出してきたような蛙、その背中には希少石が輝く。
蛙は日本でも縁起の良い物とされますが、ヨーロッパではどうなのでしょうか。
これまでも数匹の蛙をモチーフとした19世紀のジュエリーと出会ってきました。今まで私が調べ、聞いてきたものでは、古代ローマ・ギリシャでは蛙は繁殖力と調和を齎すとされています。これは恐らく古代エジプトの出産・多産の神ヘラトの影響もあるのでしょう。蛙は一度にたくさんの卵を産むことから繁殖力、多産の象徴となったと思われます。
また、ケルトでは蛙は癒しと浄化の象徴とされました。これは蛙が雨が降った際に表れ、水を司るものとされたためだと言われます。悪しきもの等は雨や水によって洗い流され浄化さると考えられていたからでしょう。
このブローチは頭部と胴体に合わせて10個のデマントイドガーネットが埋め込まれています。デマントイドガーネットはロシアのウラル山系で産出された反射光の高い蛍光色の緑色をした希少石です。1900年前後に作られたジュエリーに見られます。ロシア革命後は1990年代に再び現れるまで市場にほとんど出てこなくなっていました。現在も再び鉱山は閉鎖されており、希少性が高まっています。その色合いが蛙にピッタリです。
両眼にはルビーが覆輪留めされ可愛らしいです。口元は刻まれ、半開きのように映ります。
体全体は蛙の皮膚の感じを見事に表現しています。足が左右対称にではなく表現されているところにリアルティが感じられます。柳の下の蛙が飛び跳ねているようにも見えます。指先まで丁寧に作られています。
裏をみると、Rd318300と入れられています。私もはっきりとは言えないのですが、Registration と design の略称ではないかと思います。つまり意匠登録。もしくは商品番号でしょう。
裏側が覆われていますが、無垢ではなく中空になっています。それでも同時代の物に比べ金の板に厚みが感じられます。
デマントイドガーネットを使用していること、針と受けの作りなどから判断すると、やはり1900年前後に作られた物だと推測できます。
大きさも程よく、飛び跳ねている蛙は角度を気にせずに付けられると思います。
幸運がかえる、成長と変化を齎してくれるともいわれる蛙。
蛙のモチーフは鳥や昆虫と比べても遥かに珍しく、ましてアンティークジュエリーではなかなか出会うことも少ないでしょう。希少石を使用しており、さらに貴重な作品です。
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