彫りの細かさ、色、大きさ、素材全てのバランスが良いストーンカメオの逸品。
貴婦人の頭部をよく見ると、額の上に三日月が飾られています。その他にも様々な髪飾りが彫られていますが、三日月があることにより、月の女神ダイアナだと判断できます。ギリシャ神話のアルテミスに相当する月と狩猟の女神です。
シャルカメオでは題材がローマ・ギリシャ神話が主であったのに対し、ストーンカメオは貴婦人像などが多く、女神たちをモチーフとしているものは少ないです。頭部に葡萄を飾ったバカンテなどはストーンカメオでも当時人気があったモチーフでしたが、他の女神は数が非常に少なく目にする機会もほとんどありません。
このカメオも恐らく貴婦人像としてモデルとなった女性がいたことでしょう。そこに女神を重ねて作られたものだと推測できます。イヤリングやネックレスなどは19世紀のスタイルの物を身に着けています。一方、頭部のティアラのような飾りは植物の葉と羽で表現され、身に着けているドレスも古典的なものです。
絵画などでも見られるように古代の女神の姿で肖像画などを描かせていました。
素材は三層になったサードニクスで白、薄紫、エンジ色の層に分かれています。
白地の層を使い、女性を彫り上げ、背景に薄紫、その下にエンジの層があります。背景の部分は横から見ると台形のようになっています。これは覆輪留めのフレームから抜け落ちないための構造なのですが、下の層になればなるほど、面積が大きくなるので、正面から見てもエンジの層が輪郭線のように映ります。このエンジの層の輪郭線によりカメオ全体がボケずにしまって見える印象になっています。
周囲のフレームはにはハーフカットされた天然真珠が一つ一つ丁寧に爪留めされています。その他三つの太さの異なる金綱細工が囲んでいます。
裏側をみると石に斑点のような模様が見えますが、これは石のインクルージョンであり、自然石であることが解ります。針と留め具の受け、バチカンは恐らくのちの時代に付けなおしたものでしょう。カメオの彫りとフレームの作りからするとフランスで作られたものです。その後、針と受けが破損したのか交換されたのだと思われます。針の長さもフレームよりも長いことから19世紀に行われたと推測できます。裏面、針の根元の下の辺りに傷がありますが、金の純度を測る際に削った跡でしょう。バチカンは折りたたみ式なので、ブローチとしてご使用になる場合には内側に折り畳め表に出ることはありません。
カメオの部分を光に透かすと画像にあるように光を透かして見えるようなヒビなどもありません。また、浮き彫りになった白い層にも一切傷がなく、状態は良好です。現在のヨーロッパのマーケットでもストーンカメオは9割が傷やヒビがあり、なかなかこうしたカメオ本体が無傷の物は出会うことがありません。
地の色合いも薄紫もしくはピンクとも呼べる柔らかな色合いで生地に合わせやすいと思います。そこに真珠が入ることにより気品も加わっています。
ご希望の方には針を短くしペンダントとしてご使用の際に邪魔にならないようにも致します。ご相談ください。
月の女神ディアナをモチーフとした実際に使い易いハードストーンカメオの逸品です。
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