キルトを留めるために使われていた装身具が19世紀に発展したブローチ
キルトはスコットランドの伝統的な衣装であり、そのスカートをスカートの裾を留めるために使われていたのがスコティッシュでした。薊や短剣、紋章などスコットランドに係の深いもの伝統的な意匠が使われています。
19世紀ヴィクトリア女王が夏の避暑地としてスコットランドを訪れた際にそうしたスコティッシュジュエリーを身に着け、イングランドに持ち帰りました。
それがきっかけとなりスコティッシュは一つの大きなブームとなりました。
やがて女性に身に着けやすい小振りなものも増え、スコットランド土産としても現代まで作られています。
多くの作品は銀に瑪瑙やガラスなどで安価な素材で作られているのが一般的です。
そうした中でも一部富裕層向けに作られたゴールドを使用した作品も極僅か残っています。
この作品もゴールドを台座とした作品であり、金属の表面が出ているところには全て彫刻が施されています。浮彫模様になった装飾は特に中央の盾の交差した部分の彫りが美しいです。唐草模様は洋彫りという肘と手首の力ののみによる伝統的な職人技法により彫り上げられています。
デザインは盾の周りにベルトが取り巻かれ勲章のようになっています。
盾は紋章を表しています。
話が逸れますが、全身を甲冑で覆い、視界の悪い兜をかぶっていた時代、戦闘の最中で敵味方が分からなくってしまうことがありました。
そこで自らが誰であるかを示す印を盾にデザインしました。それが紋章の始まりだったと言われます。そのため、紋章は盾の形をしているのだそうです。
話はもどり、このデザインもスコティッシュを代表する一つの様式でもあります。
裏側をみると上部に半円が付いていますがこれはストッパー用のチェーンをつなぐための物です。
アンティークのブローチ全般に言えることですが、最近は大振りの作品がマーケットから無くなってきました。19世紀も後期になると、大きなものが貴族向けに一つあるならば、中産階級向けに同じようなデザインで二回り以上小さい物が50~100個作られたと思われます。
けれど現在の富裕層がアンティークに注目する中、そうした大振りの作品はすでにプライベイトコレクションに収まってしまい、市場に出てこなくなってしまいました。
このスコティッシュも久しぶりに遭遇した大振りの、その上ゴールドを台座とした作品です。
渋い色合いに風格が感じられる逸品です。
配送日時につきましては、在庫確認後のご連絡でご要望を承ります。
配送ラベルに記載する商品名・送り主名につきまして、ご要望があります際には最大限の配慮をさせていただきますのでお気軽にご連絡ください。
当店では以下のお支払方法をご利用いただけます。
*お客様のご都合にあわせて商品お申し込みの際にご指定ください。
*銀行振り込み手数料、代引き手数料の決済手数料はご負担いただいております。
*7日以内にご入金・お手続きが確認できない場合、キャンセル扱いとさせていただく場合がございます。