小振りながらも究極の細工のアールデコ期の逸品
私もこれまでエドワーディアン期やアールデコ期の細工の素晴らしいプラチナワークの作品をたくさん目にしてきましたが、その中でも特に秀でた素晴らしい細工の逸品です。
蓮の花を連想させるような曲線のデザインが左右に広がり、その中央にピラミッドのような直線を組み合わした形のデザインとなっています。どこかエジプシャンリバイバルの影響が感じられます。1922年にツタンカーメンの墓が発掘され、第三次エジプトブームが起きました。アールデコ期には中国趣味と並んでエジプトを題材とした装飾品が好まれました。そうした時代の香りが感じられます。
セットされている白く透明感のあるダイアモンドは、中心となる大きめの物はキューレットがあるオールドヨーロピアンカット、周囲を飾るダイアモンドはキューレットがなく、トランジッションカットとなっています。まさに、アールデコ期のダイアモンドのカットの変革期の時代の作品だと分かります。
この時代、カリブレカットというレール状にルビーやサファイアをセットすることが流行しました。通常は直線状に並べてセットするのですが、この作品には曲線を帯びて小さなサファイアが隙間なくセットされています。その上、このブローチに合わせてカットされた三角形のサファイアもミル留めされています。よく見ると大きさは全てが同じという訳ではなく、トップと下部に垂れ下がる左右にセットされているものは小振りになっています。どれもがほとんど隙間なく石留めしていることに職人の高い技術が感じられます。
それらのサファイアはどれも透明感と照りがあり、良質な物を使用しています。同時代の多くの作品はもっと濃紺のサファイアやこれだけきれいな物になるとシンセティックつまり人工サファイアを使用していることが多かったです。もちろん、この作品も宝石鑑別所で天然であることは確認済みです。
曲線と直線を組み合わした複雑な模様のプラチナ台のエッジの全てには極小のミル打ちが施されています。
また、良質なジュエリーは裏を見ると解ると言われますが、このブローチの裏側も台座の形とそれぞれの石の大きさに合わせハンドカットで穴が開けられており、感動させられます。強度を保ちながらも通る光が最大になるように、開けられた穴は石が抜け落ちないように少し角度が付けられています。
また、ブローチ金具の中央にはネジが付いており、これを回すことにより針と受けを取り外すことができます。裏面上部左右にはチェーンやチェーンの輪を通すフックが付いています。ペンダントとして使用する際には針と受けを取り外し、安定して使える作りとなっています。
大きさもブローチとしてもペンダントとしてもどちらでも使い易いサイズです。サファイアとダイアモンドの組み合わせのため、すっきりとした印象でありハイジュエリーでありながらも活躍する機会が多いかと思います。
このサイズでここまで細工が凝った作品は私も見たことがありません。
最高の技術とデザイン性に富んだブローチ&ペンダントです。
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