ラテン語で「真っ直ぐな道」と彫られた紋章入り印章ペンダント
18世紀から19世紀にかけてフォブシールと呼ばれる印章付き飾りが流行しました。
紳士は爵位を受け継ぎ、紋章を彫ったシールをフォブチェーンなどに装着し身に付けました。また、淑女はラテン語の格言やイニシャル、動物や鳥などを彫ったシールをロングチェーンなどの先端に付け、身に付けました。
印章の歴史は古く、古代メソポタミアに始まりました。脈々と受け継がれ古代ローマ時代には神々が宿る護符や装身具として、また、契約や承認の印として利用され身に付けられました。
イギリスではジョージアン期に特に人気を博し、この作品もジョージアン期ならではの彫りの深い彫金細工で飾られています。
その装飾模様には18世紀に流行したロココ様式の影響が見て取れます。
花弁が幾重にも重ねられた薔薇とアカンサスの葉、羽毛、ロカイユと呼ばれる貝殻模様それらを組み合わした複雑な曲線を用いた文様は18世紀から19世紀初期の金細工の特徴です。ヴィクトリアン期になると、こうした立体的な彫金細工ではなく、表面を薄く彫り込むものや、立体的であってもここまで複雑な彫り込みがなされた物ではなくなっていきます。
ジョージアン期のジュエリーは後の時代に比べ、もともと作られた数も少なく、多くの作品は解体され他のジュエリーに作り替えられてしまいました。そのため、目にする機会も少ない中、シールは稀にマーケットに出てくるジュエリーの一種です。そうしたフォブシールも最近は小振りな物しか見かけなくなりましたが、私も久しぶりに入手した大型の作品です。
ハイカラットゴールドの装飾に付けられた印章は赤瑪瑙であるカーネリアンが使われています。カーネリアンは硬度7と硬く、ガラスに比べ摩耗しにくく、今でも彫られた紋章を指でなぞると、彫りの深さと共にエッジが丸まることなく鋭角なのが判ります。
図柄は盾の上に鷲が翼を広げとまっている紋章であり、深く彫られています。盾の下には帯があり、その上には「VIA RECTA」と逆さ文字が彫り込まれています。直訳すると真っ直ぐな道。これは、新約聖書の使徒行伝に登場する通りの名であり、ここで、使徒パウロの改宗の舞台となった地です。現在も実存し、シリアのダマスカスの旧市街にあるバーブシャルキー通りにあたり、東西1500メートルにわたります。
私も中学生の時に礼拝でパウロが改宗した時の話を耳にした印象が今でも残っています。
印章にはこのようにラテン語の格言や聖書の言葉を取り入れた物が見られます。
状態は良好で金もしっかりと使われています。肉眼では分からないほどですが、ル―ぺでみると、一か所、下部の本体とアカンサスの葉がつながる部分の少し上の所に1.5mmほどの僅かな亀裂があります。多くの面で上下繋がっているため、ここから破損することはまずないので、ご安心ください。
カーネリアンにも傷や摩耗、ヒビは無く全体として非常に状態は良好です。チェーンを通す穴は縦5.1mm横4.8mmあり、太めのチェーンもほとんどが通ると思います。
アンティークジュエリーならではの装飾美からくる重厚感を楽しみたい方に是非お勧めしたい大振りのフォブシールです。
配送日時につきましては、在庫確認後のご連絡でご要望を承ります。
配送ラベルに記載する商品名・送り主名につきまして、ご要望があります際には最大限の配慮をさせていただきますのでお気軽にご連絡ください。
当店では以下のお支払方法をご利用いただけます。
*お客様のご都合にあわせて商品お申し込みの際にご指定ください。
*銀行振り込み手数料、代引き手数料の決済手数料はご負担いただいております。
*7日以内にご入金・お手続きが確認できない場合、キャンセル扱いとさせていただく場合がございます。