襞襟を付けた貴女をモチーフとしたストーンカメオは花綱模様のフレームで飾られている
エリザベスⅠ世を彷彿とさせる襞襟を付けた貴女をモチーフとしたストーンカメオ。
サードニクスの白とピンクの色合いの層を生かして彫っており、裏をみるともっと濃い色合いのオレンジ色の層があるのが解ります。柔和な感じを表現するためにあえてコントラストのある濃い層を背景に使わずに僅かな薄いピンクの層を残して彫ったのでしょう。
髪の毛は巻き毛にしっかりと彫られ、首元にはネックレスが見えます。襞襟の間にはブローチも見えます。衣装も古代の物ではなくドレスとなっています。
尚、襞襟は16世紀半ばから17世紀にかけて王侯貴族や富裕な市民の間で流行したものであり、ちょうどエリザベス1世の統治下と重なります。イタリアに目を向けるとルネッサンスの時代です。
そのため、フレームはカメオのモチーフに合わせ、ネオ・ルネッサンス様式の豪華な彫金細工の珍しいものが合わされています。カメオを囲む装飾は月桂樹の冠のようであり、その周囲に薔薇の花と葉の綱があり、さらに、アカンサスの葉が上下左右に飾られています。
フレームは酸を使い艶消しにされており、豪華な装飾模様ですが重厚な落ち着いた雰囲気となっています。
裏をみると、カメオが裏から抜けないように固定してある金の小さな輪が一度外れたのでしょう。ハンダ付けされています。その他には修理や傷などもなく状態は良好です。
金もしっかりとつかっているため、手に取ると重みが感じられます。大きさは縦が3.38cm横が4.34cm使い易いサイズです。
1860年代に流行したネオ・ルネッサンス様式のカメオ。見方を変えるとフレームの花綱模様は18世紀にフランスで始まった装飾様式であるガーランド様式にも映ります。ナポレオンⅢ世期には18世紀のスタイルに懐古することが流行りました。そうした18世紀のスタイルでるとも解釈できます。同様の花綱模様がナポレオン様式の家具などにも多く見られます。
尚、ガーランド様式はその後エドワーディアン期にはプラチナを使った花綱模様へと変化していきました。
ナポレオン三世の在位である第二帝政は1852年から1870年です。ちょうどその時期にこの作品の製作年も当てはまると思えます。それは、ストーンカメオの襞襟とフレームの装飾から恐らく1860年代頃の作品と考えられるからです。
これまでたくさんのカメオを扱ってきましたがこうしたフレームのカメオは数年、10年でも2、3個程しか出会うことがない大変珍しいクラシカルな作品です。
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