写実性を極めたリアリティー溢れる逸品カメオ
このカメオを目にし初めに感じたのはその写実性の凄さです。まさにカメオの中で生きているようです。
カメオはもともと宝石彫刻、宝石を浮き彫りにしたものをカメオと呼びました。しかしストーンカメオは重量があったため、普段から使える軽量の素材のカメオが必要となり、作られたのがシェルカメオでした。そのため、シェルカメオは限られた厚みでいかに立体感を出すということが彫り師の技量、センスを測られるものとされています。このカメオも手に取ると驚くほど軽いです。白い部分の厚みは限られているにもかかわらず、非常に立体的に映り、浮き上がってきます。
肌の滑らかさは特質べきものがあります。下部にある手には柔らかさに加え、イコンのような雰囲気があります。頭部はベールに覆われており、幾重にも布が折り重なり合ったところに立体感が感じ取れます。その後ろには光輪が見られ、聖母像であることが解ります。身に着けられているパルラと呼ばれる衣装の微妙な皺や膨らみにより布の下に隠れている体の柔らかさ厚み、温かさまでもが伝わって来るようです。カメオ全体は白い淵が残されており、金のフレームとの接っする部分に白い層が見られます。
背景は茶色の濃い層を使い、白い層とのコントラストがハッキリとしており、モチーフを浮かび上がらせます。表面を丹念に磨きあげられているので、まるでストーンカメオの背景のように光沢が感じられます。軽量化を図るため裏からも貝は彫られており、茶色の層は光を透かします。
フレームは特別に凝った彫刻が施されています。特別というのは覆輪留めで表側に織り込まれた部分にも連続した彫りがなされていることです。周囲の彫りをよく見ると、花と葉が連続して彫られています。一つ一つの彫り型抜きにはない深さとエッジの鋭角さがあります。
傷やストレスもなく状態は大変良好です。裏から光を透かすと貝の層が少し見られますが、ストレスやヒビではありません。フレーム下部にはチェーン式のストッパーが付いていますが、現代ではシリコンストッパーがあるのでこちらはそのまま使用しても外してもどちらでも大丈夫です。
これほどまでの写実的なシャルカメオは19世紀にも大変少なく、見つめているとカメオからその息吹を感じられるようです。
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