月の女神アルテミス・カメオ

月と狩猟の女神アルテミスの柔らかさと繊細を兼ね備えたカメオ

• 商品番号 /C4011V
  
• 年 代 / 19世紀後期頃
  
• 国 名 / イタリア
  
• サ イ ズ / 縦：55.1mm 横：47.3mm 厚さ：11.1mm(留め具を除き） 
  
• 素 材 / サルドニア貝、金

一本一本の髪の毛がしっかりと彫られており、カメオ全体がそれにより立体感を感じられます。巻き毛は一様ではなく様々な形が積み重なっており、ボリュームが見事に表現されています。多くのカメオの頭髪は波のような連続した曲線のみで表現されることが多くこうした様々なパターンを合わせて彫られているものはアンティークのカメオでさえ少ないです。その頭上には三日月が飾られており、月の女神であることを示しています。

右肩には弓矢が飾られれ、背中には矢筒が見えます。アルテミスは月の女神であると同時に狩猟・貞潔の女神であり、森の中でニュンペ（ニンフ・妖精）たちを従えた姿でも表現されています。

髪の毛の繊細な彫りとは対比的に女神の純白の肌は磨き上げられ艶やかです。昔の女性の理想の像をカメオに反映しているようであり、ふくよかさが伝わってきます。貝の状態も非常に良くサルドニア貝のベージュのような地は磨き上げられ艶を帯び、純白の層にアルテミスが浮き彫りにされています。光を当ててよくルーペで見ると動画からも少し解るかもしれませんが、首の所に、小さなえくぼと呼ばれるもともと階にある小さな凹みが二か所あります。通常では全く気にならないものです。

フレームはハイカラットゴールドでできており、内枠の周りに金綱が巻かれその周囲は艶消しされた上に波模様が彫られ、それに沿って三列の小さなドットが刻まれています。さらにその両脇に少し大きいドットが連続して彫られた手の込んだものとなっています。

裏をみると針と受け、ペンダントの金具のどれもが金で作られています。バチカンのついた部分はブローチとして使用する際に邪魔にならないように折りたためるようになっています。貝の裏面も艶やかで状態がきれいなのが解ります。

彫りの細かさ、立体感、写実性、フレームの素材と作り、大きさ、総合的に見ても価値あるカメオと呼べる逸品です。