アールデコ期に喇叭水仙(ラッパスイセン)をモチーフに天然水晶を彫り上げた逸品。
数年に一度手に入れているロッククリスタルすなわち水晶を彫り上げたブローチ。昨日、イギリスから届きました。こうした水晶やカルセドニー、ネフライトなどを彫刻し、立体的な花を表現するブローチは1930年代のアールデコ期に流行し、その後、1950~60年頃のアールデコ・リバイバルの時代にも作られました。どちらの時代にも優れた彫りの作品は作られていますが、周囲を飾る金細工はやはり1930年代の作品の方が細部まで手の込んだ作りをしていると言えます。
このブローチも喇叭水仙の特徴的なまっすぐな葉をスムーズな曲線で表現しています。中にはローズカットのダイアモンドがセットされ、その周囲をすべ極小のミル打ちを施しています。同様に雌しべも極小のミル打ちが施され、ミルグレイの連なりは二重になっています。トランジッションカットの美しい輝きのダイアモンドが花の中から顔を出してくれます。
この雌しべを生かし、芯は水晶を貫通し、裏側の金属の部分を固定するように芯留めとなっています。
葉の根元の細くなる先端部分のダイアモンドがセットできなくなる幅の一には白いホワイトゴールドの粒がいくつもぎっしりと彫り上げられています。この小さな粒が光を反射し、ローズカット・ダイヤがそのまま続いているように感じられます。
ローズカットのダイアモンドがセットされた葉の裏側をみると、ドリルではなくハンドカットでしっかりと穴が開けられています。また、その他の裏側の作りも目を見張るものがあります。
裏面は水晶を覆うようにホワイトゴールドの板で覆われており、その表面にはハンドカットによりお花や葉、蔓などが浮き彫りにされています。浮き彫りというのは、背景となる部分には非常に細かい彫り込みを入れることにより艶消しとし、対象物を引き立てている彫りです。また、茎の裏側までも刻みが入れられています。
留め具はテッポウ式のストッパーが付いた構造になっています。金具を持ち易く使い易い構造です。
最後に改めて主役の水晶の花を見てみましょう。お花はブローチという性質上、軽量化と厚みがある過ぎると傾くこともあるため、ある程度厚みを抑えた上で、非常に立体的に見える様に彫られています。まるでそこに生命が宿っているかのように花弁は優雅な曲線を帯び、捻りを加えられている部分もあります。花の筋などもしっかりと彫り込まれています。表面はフロスト仕上げにより艶消しになっています。
これまでもいくつかのロッククリスタルを彫刻したお花のブローチは扱ってきましたが、秀で美しく上品な作品です。
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