「幸せの再来」アールヌーヴォー期に作られたエナメルとダイアモンドの精巧なブローチ。
手に取るとずっしりと金の重みが感じられます。多くのアンティークジュエリーが逆に見た目と異なり、その軽さに驚かされえることが多いです。
しかしアールヌーヴォー期の一部の作品は金を多く使用し、重みを感じられる作品に出会うことがあります。当時もアールヌーヴォーのデザインのジュエリーは大変珍しく製作数は少なかったです。そうした状況で、アールヌーヴォーの自分だけのジュエリーを身に着たかった富裕層が、工房にオーダーしたのでしょう。そのため、通常の当時のジュエリーでは見られないような金の使い方をしたのだと考えられます。
それは金の使用量だけでなく、大変手の込んだ作りと構造、デザインにも見て取れます。
全体はいくつかの金の板を組み合わして作られた構造になっており、表に出ている葉の表面には自然の葉にあるような模様が見えます。これは表面に小さな刻みを彫りこみ、また金の表面を細かく叩いて艶消しにしています。それにより連続した微細な反射光が輝きます。裏側をみると、金の表面は細工が無く滑らかなため、こうした表面に手を加えることにより表側の模様が作られたことが対比的に解ります。金の表面への細工は葉だけでなく茎の部分にも行われており小さな擦り傷のような刻みが入れられ艶消しになっています。
葉の内側には緑色のエナメルが焼き付けされており、鈴蘭の花は白いエナメルが施されています。ルーペでみるとエナメルが丸みを帯びた表面にこんもりと乗せられ焼かれたのがわかります。塗料と違い焼き付けるので丸みを帯びた表面にエナメルを施すことは技術の要する作業でした。花弁の内側にもしっかりとエナメルが盛られています。
特質べき細工としては全体に四つのダイアモンドがセットされていることでしょう。
光り輝くオールドヨーロピアンカットのダイアモンド。一つは鈴蘭の花弁の外側に、もう二つは鈴蘭の花の中に隠れるようにセットされ、最期の一つは左側の葉の上に水滴のように光っています。
どれもが、平らではなく丸みを帯びた台の上にセットされているにもかかわらず、裏を見ると石の裏を開けているオープンセッティングになっています。ダイアモンドをしっかりと留めるため金の太めの輪で裏側は抑えられています。
そうした凝った様々な細工により本物の生きた花のような立体性で躍動感を持ったジュエリーが胸元に花を咲かせてくれます。
尚、聖母マリアの花とされえる鈴蘭の花言葉は「純粋」「純潔」とされ、またreturn of happiness「幸福が再び訪れる」ともされています。
ここまで凝った作りとデザイン、リアリティー感はすでにジュエリーの域を超え、小さな工芸作品と呼べるものだと感じます。
宝飾工芸という名が相応しい逸品です。
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