亡くなった父の思い出を込めて作れたモーニングリング
たくさんのアンティークのリングを扱ってきましたが、なかなかここまで金をしっかりと使い丁寧に作られたリングは少ないです。
カルフォルニア、オーストラリアで19世紀中期に始まったゴールドラッシュはその後、ニュージーランド、西オーストラリア、カナダ、チリ、南アフリカ、アメリカと19世紀末には世界各地で新たに金鉱脈が見つかり、ゴールドラッシュが続きます。その影響はジュエリーの製作にも多大な影響を及ぼしていたのは19世紀から20世紀かけてのジュエリーを手に取っていると感じられます。
1900年頃を過ぎた頃から次第に18金の厚みのあるシャンクをもったリングが見かけられるようになってきます。そうした中でもかなりしっかりと厚みのある金を使ったこのリングは手に取ると金の重みが感じられます。
それに合わせて良質な天然真珠とオールドヨーロピアンカットのダイアモンドが使われています。ダイアモンドには力強い照りがあり、しっとりとした天然真珠とは対照的です。それぞれの宝石は彫り留めでセットされています。電灯の普及が進んでいたこの時代、ダイアモンドの裏側はオープンセッティングになっており、開けられています。
宝石の魅力を引き立てるように周囲には唐草と翼を合わしような模様がフェイスとショルダー部分に入れられています。表面をみると摩耗があるのでかなり使いこまれていたのが伝わってきます。脇の一つの真珠もルーペでみると線が入っています。けれど肉眼ではほとんどわかない程度であり、三つの真珠がシルバー色の同じ色合いで統一されているため交換しない方が良いでしょう。
シャンクの内側にはモーニングリングであることを示す、文字が彫りこまれています。
「In Memory of Father, died 29 March 1906」と入っています。
1906年日本で言えば明治39年です。父親への想いを込めて作らせたリングであったのでしょう。大切にされ現代でもその美しさは失われていません。
その横には「GS☆FS」というメーカーズマークと金の純度を示す「18」が刻印されています。
結婚指輪と同様にモーニングリングはお金をかけて丁寧に作られ、大切にされたのでしょう。だから今もこうして残っていてくれていると感じます。
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