アールヌーヴォーのモチーフであるヤドリギのカラーゴールドロケット
私はガラス工芸作家ルネ・ラリックやルグラのヤドリギをモチーフとした作品が好きでフランスで見つけた時はなるべく仕入れるようにしています。
アールヌーヴォー期の植物の柔らかな曲線を表すのに適したモチーフです。
ジュエリーにはおいては見られる数は少なく、アールヌーヴォー期の一部の作品に見られるのみでしょう。
しかし、ヤドリギはケルト文化を中心にヨーロッパでは古代から神聖な木とされ、幸運を呼ぶと信じられていました。その文化は残りクリスマスにはヤドリギを飾ります。
このペンダントはやはりアールヌーヴォー期に作られたもので、ハイカラットゴールドを使用しています。シードパールが三つ嵌め込まれています。高さを抑えるために、真珠の部分のみ裏をみると穴を開けた金の円状の台座が付けられています。これにより薄い金の板でもハーフカットした真珠を嵌め込む厚みを持てるようになっています。
逆に表側にはヤドリギの葉がカラーゴールドで表現されています。葉の部分のみ別に作り溶接された構造になっています。茎やその他の葉の部分は手彫りにより表現されています。ロケットの表面は酸で溶かした艶消しになっており、彫りを入れた部分のみが光沢が変わります。そのため、三色のカラーゴールドに見える効果があります。
裏面をみると、飾り文字でTとMが彫られています。
イニシャルでしょう。文字もまたアールヌーヴォーを感じさせてくれます。
バチカンをつなぐ部分に刻印がありますが、はっきりとは刻印は判別できません。
チェーンは後の時代のものですが18金製でバチカンに750という18金の刻印が入れられています。
開く際には爪を入れる窪みが二か所あり、ここから簡単に開けられます。
内部はシンプルですが、ハイカラットゴールドのため色の変化もなく金色に輝いています。
軽量化を図って作られており、手に取ると非常に軽いです。
本体は約4グラム、チェーンが2グラムです。
いつでも身に着けていて負担にならない重さでしょう。
アールヌーヴォーのデザインを楽しんで付けるのも宜しいでしょうし、実際に写真などを入れて使うのもお勧めです。
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