天然石を彫刻した宝飾品はアールデコ期に人気を博しました。
第一次世界大戦が終わり、再びヨーロッパが落ち着きを取り戻し、欧米で華やかな文化が花開いた時代。1920年代から30年代にかけてこの時代、それまでのエドワーディアン期やベルエポック期の繊細さをを受け継ぎながらも、より大胆で鮮やかなジュエリーが作られていくようになります。
そうした中でも20世紀初期の繊細さを残しているのがこのブローチでしょう。
色とりどりの半貴石を花や葉の形に彫刻し、花の中央にはプラチナの台にセットされたダイアモンドが輝きを添えています。ダイアモンドはキューレットのないトランジッションカットです。モダンブリリアントカットに比べ、この過渡期のカットはテーブルの面積がガードルに対し小さいのが特徴です。
それぞれのダイアモンドは細やかなミル打ちでセットされたミル留めになっています。そのプラチナの台座が花の中心を抜け、芯留めになっています。
シトリンとアメシストの花は表面が艶消しになっている一方、赤茶色の花と緑色の葉のトルマリンには光沢が感じられます。
こうした天然石を花や葉などの形に彫刻するジュエリーはアールデコ期に人気を博し、ティファニーやカルティエの作品にも見られます。
周囲のホワイトゴールドの台は花と葉に繋がる蔓を表しています。ミュシャの絵を連想させるような曲線を帯びており、表面には細やかな彫りとミル打ちが施されています。側面は透かし模様になっており、やはりミル打ちが施されています。
表側が白いホワイトゴールドであるのに対し、裏側をみるとイエローゴールドになっています。
針の受けは昔のストッパーが付いたもので、14Kと刻印が打たれています。
そのデザインはアールヌーヴォから受け継がれた左右非対称の植物模様であり、繊細さも感じさせてくれます。繊細な作りとデザインからアールデコ期初期の作品であることが判ります。
時代の狭間に作られた色とりどりの花が咲く希少な作品です。
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