アールデコ期のデザインは今目にしても斬新さが感じられる、優れた技術も費やされた指輪。
アールデコ期に作られた手の込んだ希少なリングです。アールデコの直線的なデザインは後の時代にも人気があり、1960年代にもアメリカやヨーロッパで復刻が作られました。現在でもアメリカとヨーロッパの市場でそうした60年代に作られた復刻のアールデコのジュエリーや工芸品、家具などが多く見られます。
そうした後の時代の作品との違いはやはりその作りでしょう。このリングで目を見張るのはミル打ちの細かさです。フェイスのエッジ部分全てには極小のミルグレインが施されています。その粒の大きさはエドワーディアン期のジュエリーにも見劣りしないほどのレベルです。時代が若くなるに従い、ミルグレインの粒は大きくなり、やがてデザインだけを模倣しミル打ちがなされていない物が多くを占めるようになります。
また、もう一つ上げるとするとルビーのカリブレカットの仕上がりでしょう。同時代の物と比べても優れているのが分かるのは多くのものが台座や石と石の間に隙間が空いてしまっているものが多い中、ぴっしりと隙間なくきれいにセットしています。その作りの良さから発色の良いルビーの線が二本縦に入っているように映ります。
インクルージョンのあるルビーはカリブレカットにセットする際に、石が割れ破損してしまうことが多かったです。そのため、すでに当時流通していたシンセティックルビーつまり人工ルビーがカリブレカットには多く使用されました。大きなダイアモンドが使用されている高価なジュエリーにおいてもシンセティックルビーは多用されていたほどです。私達ディーラーもカリブレカットの作品を購入する際には特に注意がを必要としています。もちろん、当店では鑑別所にて鑑別済みですのでご安心してお選びいただけます。
ダイアモンドは中央に縦に並ぶ三個はキューレットが確認でき、オールドヨーロピアンカットと判断できます。左右に二つずつセットされているものは、キューレットが無いのですが、ガードルに対するテーブル面の比率からするとトランジッションカットであることが判ります。どの石も力強い反射光を持ちアールデコの斬新な輝きに相応しい物です。
この時代のリングは後の時代のリングに比べフェイスの高さが低く、シャンクが細いことも特徴です。1930年代になると次第にフェイスは高くなり、シャンクももっと太くなります。1940年頃には顕著に違いが判るものとなります。
シャンクの外側にはフランス製の18金を示す鷲の横顔がくっきりと打たれています。また、EBというメーカーズマークも打たれています。
最近イギリスから届いたこのリング。箱を開けた時の感動は宝物を探し当てた時のようなものでした。事前に送ってもらっていた画像などよりも、実物は遥かに力がありました。ルビーの鮮やかな色合いとダイアモンドの輝きが私の目を捉えました。
きっと、これからもどなたかの指の上でその美しき存在感を放ち。続けるのでしょう
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